学力テストの過度な競争激化に一石

 熊本県教育委員会が、小学6年生と中学3年生を対象に実施される「全国学力テスト」について、テストの点数を上げるための事前対策をやめるよう、県内の小中学校に要請したと報じられました。大変喜ばしいことだと思います。
 全国一斉に行われるこの学力テスト実施に関し、私は県議会で繰り返し改善見直しを求めてきました。都道府県間の競争がエスカレートし、学校は生徒の平均点を上げるために過去問演習を繰り返させるなど、本来子どもたちに実施すべき学習ができなくなってしまっている深刻な現状を伺っていたからです。
 現場の先生たちは多忙の中、子どもたちに本当の学力を身に着けてほしいと教材研究を重ね、楽しくわかりやすい授業づくりに腐心されています。学力テストとは本来、点数を争う競争が目的ではなく、子どもらにとって必要学力が身についているかを確かめるためのものであるはず。県教委の今回の要請が、よりよい教育のあり方へとつながっていくことを期待します。