「VIVANT」で話題の「別班」、石破茂氏が存在認める。赤旗は半世紀近く前から存在を暴露
TBS系ドラマで放映中の「VIVANT」。その中で「別班」という、公には公表されていない政府非公認の自衛隊の影の諜報部隊のメンバーが暗躍しています。
この「別班」の組織についての政府の公式見解は「これまで自衛隊に存在したことはなく、現在も存在していない」(2013年菅義偉官房長官(当時))というものですが、「文春オンライン」で石破茂元防衛大臣が、その存在を認める発言をしています。
実は「別班」について、日本共産党は1977年、寄せられた内部告発の手紙をもとに、二年がかりの調査を経て、その存在を明らかにしました。当時の経緯がしんぶん「赤旗」9月6日付紙面で紹介されています。
手紙には、以下のようなことが書きつづられていたといいます。「私たちはアメリカの陸軍第五○○部隊(情報部隊)と一緒に座間キャンプの中で仕事をしています。仕事の内容は、共産圏諸国の情報を取ること、共産党を始め野党の情報を取ることの二つです」「興信所や法律事務所などの看板を出しています」「私たちがここで仕事をしていることは一般の自衛官は幹部でも知りません、長官や陸幕長も知らないと思います」「私は嘘と偽の充満した自衛隊の内幕を報告して先生の力で政治的に解決して頂きたいのでこの手紙を書きます」と、非常に生々しい。
「別班」の存在が事実だとすると、これは極めて重大な問題です。それは2013年に共同通信が指摘しているように、「首相や防衛相の指揮監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制を逸脱する」からです。
政府が依然として公式に存在を認めない一方で、メディアでは「別班」の存在を美化し、正義の存在であるかのように描いたドラマを国民に提供する。重大な問題がなし崩し的にあいまいにされたまま、その存在を肯定的なものとして国民に植え付けられていくことには、危惧の念を抱かざるを得ません。