水俣病現地調査

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 26日は、水俣病問題での現地調査が鹿児島県出水市で行われましたので参加してきました。
 公式発見から62年の年月が経過して、なお解決の見通しが立たないおおもとにあるのは、加害者である国、県、チッソが被害の実態に向き合わず、不当な線引きをしてすべての被害者救済の道に背を向け続けてきたからにほかなりません。今回の現地調査は、地域、年代に基づく現状の線引きが、いかに被害の実態に見合っていないか、専門医学的解明や疫学的調査の実態からも浮き彫りにされました。
 私は6月県議会の一般質問で、不知火患者会会長の大石利生さんがいかに感覚障害に苦しめられていたかという経験談を紹介させていただきました。残念ながら大石さんはお亡くなりになりましたが、命を懸けて「すべての水俣病被害者を救済する」たたかいに身を投じられました。 大石さんのご遺志を継いで、水俣病解決のためにこれからも奮闘していきたいと思います。
 

井戸を掘る医者 中村哲さんの講演を聞きました

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 楽しみにしていた、中村哲さんの講演会に参加させていただきました。企画・主催いただいた皆さんありがとうございました。

 目の前に起こっている現実と向き合い、そしてそこに暮らす人々が安定的に暮らし続けることができるよう、何をすべきか、どうすればできるかを探究し、行動されてきた中村さんが作り上げてきたものは偉大なものがあります。私などはとてもとても真似できる事ではありませんが、しかしそれはそれとして、私が今立っているポジションで、私は何ができるのか、どう行動すべきなのか。このことは考え続け、そして行動し続けていかなければならない責任を負っていると感じました。

 ところで、加藤清正の時代に整備された白川の渡鹿堰、鼻ぐり井手などのかんがい施設が、世界かんがい遺産に登録される運びとなりました。素晴らしい事です。先達の利水の取り組みや農業土木の知恵には改めて驚かされます。はたして現代の日本の公共事業は、こうした素晴らしい技術や合理的な考え方を活かし、継承したものとなっているのでしょうか。

「立野ダム先にありき」になっていないか

 11日、建設常任委員会の管内視察がおこなわれました。関係者の皆様、大変お世話になりました。
 作業に当たっておられる皆様の安全と、そして国道や崩落現場の復旧など、必要な工事の早期の完成を願うものです。
 さて、視察では立野ダム建設現場の視察もおこなわれました。
 西日本一帯を襲った豪雨災害の中で、ダム放流が水位上昇の原因となったのではないかとの報道がおこなわれている時だけに、立野ダムの治水効果や安全性について、しっかり話をうかがいたいと思っていたのですが・・・・。
 はっきりいってまともなお話を聞くことはできませんでした。
 立野ダム工事事務所の鵜木所長さんのお話は、どちらかといえば「環境に配慮している」「観光名所としても」「断層から離れている」「穴づまりは起こらない」といった話が中心で、ダムによる治水効果についてのお話が無かったために、最後に所長さんに質問をさせていただきました。
 「立野ダムによって水位はどれくらい下がるんでしょうか」
 しかし残念な事に、出てきたご回答は平成24年水害時に検証した「40センチ」(熊本市代継橋地点)のまま。その後劇的に改善した河道拡幅による変化が反映されていません。
 「平成24年水害時、立野ダム予定地付近には毎秒何トンの水が流れてきたのか」「過去最大雨量がもし仮に継続した場合、どれくらいの時間でダムは満水になるのか」などの質問にもご回答いただけませんでした。そのため、お聞きしたかったそれ以降の質問ができなかった事も残念でした。
 何か最近、「ダム建設ありき」の強引さが目立っているのではないでしょうか。ダムの危険性が改めて叫ばれている時だけに、丁寧な説明が求められるところです。
 南阿蘇村の吉良村長が、「ダムといえばアレルギーのように反応する方々がいる」と、ダム反対の意見にアレルギー的に反応しておられたことも強烈な印象でした。 不安の声が上がるのは当たり前だと思いますが、その存在を、まるで悪であるかのように封殺されるようなご姿勢に、思わずどこかの国の首相の姿を連想しました。さまざまな意見に謙虚に耳を傾けていただく勇気と良心を期待したいものです。
 8月には立野ダムの本体着工が予定されています。しかし万が一の事態が起これば、それこそ取り返しがつきません。ダムの安全性、治水効果等々、現実に起こっている水害の事実をしっかり踏まえた検証を求めたいと思います。

過去最大級の豪雨災害と、ますだ牧子事務所開き

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 これは昨日の白川の、渡鹿堰近くの様子です。
 近年の豪雨は明らかに、以前と様子が違うと感じていますが、それにしても今回、日本列島を襲った豪雨災害には衝撃を受けています。
 被害にあわれた方々に心からのお見舞いを申し上げるとともに、救助・復旧の作業が無事に、迅速に進められていくことを願うばかりです。
 かつてゲリラ豪雨という表現がありましたが、ここまで各地で同時多発的に、かつてない規模での豪雨が広域で発生するという現実を目の当たりにすると、もはや災害対応体制も、予算措置も、国や自治体それぞれに抜本的に見直し、従来の発想を超えて本気で強化していかなければならない必要性に迫られていることを痛切に感じます。南海トラフの危険性も考えると、国家をあげて緊急に対策を検討しなければならない課題であろうかと思います。

 さて、昨日は県議会議員補欠選挙に向けての益田牧子さんの事務所開きがありました。
 自民党議席が75%を占め、安倍政権になにもモノが言えない県議会。そのおかげで、被災者向け医療費免除制度の打ち切りも、仮設住宅入居継続に条件を設けるというやり方も、東日本震災などかつての大災害時と比較してあまりにも冷たい支援打ち切りが、熊本地震の対応において行われてしまっています。国保介護保険料の負担増が全国トップの熊本。また子ども医療費助成制度が全国最低の熊本。いわば安倍政権の悪政のしわ寄せが集中して現れているこの熊本で、今回の補選においてさらに、自民党の二議席独占を許してしまってよいでしょうか。
 自民党議席独占を許すのか、それとも市民と野党共同の代表、ますだ牧子さんを押し上げるのか。歴史的な選挙戦は13日告示されます。

泣く子も黙る 熊本県の児童手当差し押さえ

こんなたとえ話ならわかりやすいでしょうか。

借金取りが家にやってきました。
 借金取り「おうおう、奥さんよ、旦那の借金、いい加減に返してもらわねえとなあ」
 奥さん「お返ししますからもう少し待っていただけませんか」
 借金取り「冗談じゃねえぞ。おやっ? なーんだよ、ここに金があるじゃねえかよ」
 奥さん「ああ、それはうちの息子の食事代なんです。それだけはご勘弁を」
 借金取り「悪いがもらっていくぜ。おう、小僧、俺を恨むんじゃねえぞ。恨むんなら、金を借りても返さねえ、お前の親を恨むんだな。じゃあな」

 現実の社会では、こんな悲惨なケースが生まれないように、子どもの養育のために支給される児童手当は差し押さえてはならないことが法律で決まっています。これを、保護者の税金滞納を理由に差し押さえたのが熊本県。手っ取り早く、とりっぱぐれがない口座を狙い撃ちにしたのです。こんなやり方は許すわけにはいきません。
 この問題を一般質問で取り上げました。詳細はホームページ「日本共産党 山本のぶひろ」をご覧ください。

立野ダムについての民意は?

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 20日、「白川の安全と立野ダムを考える流域住民連絡会」や「立野ダムによらない自然と生活を守る会」の方々とともに、立野ダム建設中止を求める署名提出に、「ダムによらない治水・利水を考える県議の会」代表の西県議や「市議の会」の山部ひろし熊本市議とともに私も同席させていただきました。提出された署名数は前回分を合わせると1万人を超えています。
 立野ダムは、「あんな危険なところにダムをつくる計画があるなんて知らなかった」という方々が多くおられる中、国交省によって着々と本体着工に向けて準備が進められています。
 なぜ、国も県も、私たちが繰り返し求める住民説明会を一度たりとも開こうとしないのか。
 まるで、住民に立野ダム建設が周知される前に、急いで既成事実を積み重ねようとしているのではないか、との印象を受けてしまうのは、多分私だけではないでしょう。実際、ダム建設への不安が広がったところでは、あちこちで「立野ダムを考える流域住民の会」の発足が続いているわけですから。
 建設推進に固執する方々は「ダム下流の住民が建設を要望している」と吹聴しています。本当の世論がどこにあるのか、しっかり示していかなければなりません。
 

人吉・胸川 水位下がる

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 先日からの雨で人吉市の胸川が、氾濫危険水位を超えた、とのニュースに緊張が高まりました。胸川といえば土砂が堆積し、草木が成茂し、豪雨の際に氾濫が心配だということでご相談がありましたので、5月24日、球磨振興局土木部の方々と一緒に現地を調査し、「雨期の前に危険個所の対応を」とお願いしていたところでした。
 県河川課から、「大きく成長していた木の除去が完了した」とのご連絡をいただいたのが6月19日。ちょうどその日、胸川の危険水位越えのニュースを耳にしたのでした。
 人吉市議の塩見寿子さんに状況を伺ったところ、河川から越水するには至らず、一時避難されていた住民の方々も帰宅され、「大雨の前に改修していただいて本当によかった」と口々に感謝されていたそうです。
 関係職員の皆さんの迅速な対応に心から感謝です。